【2023年3月】今週のおすすめのビジネス書

今週は、戦略を語る上で、最も重要な考え方の一つである、リソースベースビューについて記載している、バーニーの企業戦略論をご紹介します。
今後はなるべく他の類似の書籍との比較、レビュー、私なりのおすすめポイントなども記載していきます。

ケイパビリティ視点のリソースベースビューは、マイケルポーターのポジショニング視点と比較される戦略論の一つです。

日本語版の書籍としては、上中下の3つに分かれていて、それぞれ基本編、事業戦略編、全社戦略編となっています。

[新版]企業戦略論【上】基本編 戦略経営と競争優位
ISBN-13 :‏978-4478111673
[新版]企業戦略論【中】事業戦略編 戦略経営と競争優位
ISBN-13 ‏ : ‎978-4478112113
[新版]企業戦略論【下】全社戦略編 戦略経営と競争優位
ISBN-13 ‏ : ‎978-4478112120

1990年代には、経営戦略に関する論争があり、ジェイ・バーニーの主張するケイパビリティ派とマイケル・ポーターのポジショニング派の対立がありました。儲かる市場の分析なのか、企業の能力の分析なのか、大きな観点の違いでの対立です。
バーニー(Jay B. Barney)は、ユタ大学などでも教えていた方で、もともとは2003年に日本語版として「企業戦略論(上)基本編」(2003年)、「企業戦略論(中)事業戦略編」(2003年)、「企業戦略論(下)全社戦略編」(2003年)が出版されました。上記の書籍は、最近改訂出版された新版になります。戦略論は、時代が変わっても経営学のベースの考え方となることには変わらず、私自身も自分のビジネス理念を構成する重要な考え方となっています。

さきほども述べたように、バーニーはアメリカの経営学者です。個々の企業がもつ経営資源に着目したリソースベースドビュー(Resource Based View: RBV)という考え方に基づき、1996年に企業戦略論の著作を発表しました。この書籍の中で、VRIO分析を提唱しています。VRIO分析については、今後別途ご紹介します。

会社の戦略を語るときに、会社の外側と内側を分析する必要がありますが、リソースベースビューは、内側を分析する、内部資源分析と言えます。さらに言うと、”会社の資源に基づいて企業を認識しましょう” ”長期的な会社の基盤をつくりましょう”そういった点にフォーカスして、会社を分析して、戦略を構築することを提唱しています。

個人的には、このバーニーのリソースベースビューで自身の会社をしっかりと把握し、マイケルポーターの提唱する、ポジショニングの3つの基本戦略:

  • コストリーダーシップ戦略
  • 差別化戦略
  • 集中戦略

のどれを取るのか、その上で、マイケル・ポーターが提唱するファイブフォーシス「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」の5つの要因の観点で分析、対応を進めることが、企業の戦略の組み立てにとって王道だと思っています。

この本は、MBAのクラスの経営戦略論の講義でも使用されることも多く、戦略を立てるときの基礎的な道筋、抑えるべき観点が網羅されています。上中下の3部作として発売されていることからもわかるように、非常にきめ細かく説明されており、演習問題もついています。実際の事例に基づいた問題になっているのので、この演習問題をこなしていくだけでも、実際の実務にすぐに活かすヒントが得られるのではないでしょうか。

ぜひ、まずは、バーニーの本書籍を手に取っていただき、自社の理解を進めることから初めていただけるとよいかと思います。

来週は、今回の説明でも名前がでてきた、マイケル・ポーターの書籍をご紹介します。

また別の投稿では、戦略の組み立て方についてもステップbyステップで紹介もしていきたいと思います。

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