このブログ名の由来にもなっているポルシェ911タルガモデルやポルシェ、趣味である車全般について、時々投稿しようと思います。
タルガの歴史と魅了された理由
クーペのような、オープンカーのような形がタルガモデルです。タルガのはじまりは、1960年代にさかのぼります。タルガのネーミングは、イタリアで、1906年から1977年の約70年開催された”タルガ・フローリオ”という自動車レースに由来します。
もともとは、911 フローリオという名前になる予定だったそうですが、最終的に担当者ハラルド・ワグナーさんの判断で、911 タルガとタルガのほうが採用されたようです。
ポルシェは、1966年から901型の911, 911S, 912タルガを設定し、発売しました。初代のタルガでは、プラスチック製の折り畳み式リアウィンドウが採用されていましたが、1967年からはガラス製のヒーター付きリアウィンドウをオーダーできるようになりました。その後、1968年からは、標準装備となったようです。そして、1973年、930型へと進化した911にも”タルガ”は引き継がれました。
2代目タルガの930型では、現在も特徴的なBピラーのブラック色を選択できるようになりました。(標準はシルバー色)。個人的にはこのBピラーの部分が、タルガモデルのデザインが好きな理由です。そこをブラックにすることでより引き締まった落ち着いたデザインになると思っています。この世代から、フルオープンモデルであるカブリオレ(930カブリオレ)もラインナップに加えられました。
3代目タルガは、964型 911タルガと呼ばれ、先代とくらべ、85%のパーツが刷新され、性能も大幅に向上しました。ティプトロニックもこの世代から採用されました。このティプトロニックについては、別の投稿で詳しくご紹介します。
1993年には、4代目タルガである993型が発売されましたが、この型からタルガは大きく変わりました。横から見ると、クーペとほぼかわらない外観となり、Bピラーが廃止され、ガラスルーフが後ろへスライドし、格納されるスタイルに変更されました。しかしながら、このスタイルは、オープンエアは感じられるものの、開放感が少し下がるなどの理由で、一部のファンからは不評をかったようです。
リアのサスペンジョンは、伝統のセミトレーリングアームからマルチリンクとなり、ハンドリング性能が大きく向上しました。さらに次の世代の996型では、空冷から水冷エンジンへと変更されました。この型では、電動のガラスルーフの面積が拡充され、911史上で最大のガラス面積となりました。また、911史上初めてとなる開閉式のリアウィンドウの採用されました。このハッチが開くことで、荷物の積み下ろしなどで、利便性が向上しました。スポーツカーであっても、日常使用における利便性も考慮しているところが、現在のポルシェブランドのポジションを確立できた要因の一つだと思っています。また、次のタルガ997型では、サイドウィンドウのふちにアルミニウムの装飾が施されて、より高級感のある見た目になりました。
2014年の991世代では、タルガの原点に戻りました。それは、Bピラーの復活です。しかも電動で開閉する屋根も採用し、見た目はクラシックであるがより現代の機能へと進化しました。
その後、2018年に最新モデルである992型タルガが発売されました。より洗練されたデザインで、電動の開閉機構も備えた最も優雅で、機能的なモデルになっています。
まとめ
1965年、初代911に設定されたデタッチャブル・トップ仕様のモデルが”タルガ”と名付けられて以来、50年以上の歴史をもつタルガは、多くのファンを生み、この形の屋根・ルーフの代名詞となったモデルです。もともと、脱着ルーフパネルとロールバー(Bピラー)を備えたスタイルは、北米市場で根強いオープンモデルの需要と、厳しさを増す安全基準との妥協点として練りだされ、世代を追うごとに独自の進化を遂げてきました。
初代タルガは当初、リアウィンドウがビニール製で取り外し可能でしたが、のちに固定式のガラス製が追加され、やがてそれが標準化されています。4代目ではルーフがガラス製のスライド式に変更され、5代目ではリアに開閉式ガラスハッチが装備されました。
そして2014年に7代目となる991型のタルガでは、完全開放するルーフパネルと、シルバーのロールバー(Bピラー)を備える初代のスタイルが復活しました。その開閉は複雑で、独創的な作動機構を持ち、19秒で操作が完了する電動式となっています。
タルガには他の911同様にGTSバージョンなども設定され、デザインとパフォーマンスを両立した非常に魅力的なモデルとなっています。
最後に型式を列挙すると、初代から
901型
930型
964型
993型
996型
997型
992型(2022年1月時点の現行)
になります。
なかなか数字を覚えるのは難しいですが、このように歴代のモデルも知ることで進化の過程を知ることができます。
次の投稿では、”ポルシェ“という自動車会社にフォーカスして記事を書いてみようと思います。
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