昨今、最も重要なビジネススキルにあげられるプロジェクトマネージメント(略してプロマネ)のスキルについてお話しします。
私が思うに、プロマネスキルは、一般的な業務を進めるうえで最も重要なスキルですし、このスキルを強みとしてもっていればほとんどのビジネス環境でも生きていけると思っています。
プロマネスキルとは?
では、プロマネスキルとは何でしょうか? 端的にいうと、目標を、最短の道のりで、最小のコストで、最短スピードで達成するスキルです。その意味で私は、スケジュール、コスト、リソース(人員)を重視しています。一般的に、Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)いわゆるQCDを達成して、プロジェクトを完了することが重要と言われていますが、私個人としては、自分の経験から少しアレンジを加えて、この3つを重視しています。Quality(品質)というのはなかなか評価しにくい部分であり、プロジェクトの性質によっては、明確に定義できるものもありますが、往々にしてそれぞれの人の主観に頼る部分もあるので、あまり最初からしっかりと定義することが難しいため、私としては優先度を落としています。
スケジュール
そのタスクの期日はいつか?いつまでに完了しなければならないのか。これはプロジェクトをしっかりとマネージする上で常に念頭に置いておくべき事項です。たまに、ほとんどスケジュールを意識せず、各メンバーがやったことやこれからやることを中心にプロジェクト定例会議を実施する人がいますが、これでは、目的の期日までに完了することはできません。日々の業務に追われがちなプロジェクトメンバーには定期的に、本来このタスクの期限はいつまでなのか、次のタスクを期日通りに終わらすために今から取り組むべきことはないのかを常に考えて対策をすすめるべきです。
コスト
皆さんがご存じのように、お金をかければ何でもできます。最近は宇宙にも行けます。プロジェクトを実施する意義は、それが完了したときにどのようなリターンが生まれるのか、どのようなことが達成されるのかというところにあり、それが適切なコストで実施されたかがチェック項目とになります。このコスト管理は、プロジェクト実施の上でも重要な項目の一つですので、もし財務経理知識がない方は、少なくとも基礎的な部分は勉強するようにしましょう。
ファイナンスの考え方は、エクゼクティブと会話するときににも共通用語となりますので、ぜひ基礎の部分は習得しておきましょう。
リソース
”一人でやるより、みんなで複数人で取り組むほうがより良い結果をもたらすことができる”これは、私が長年仕事をしてきて最も感じていることで、プロジェクトは通常複数のメンバーで実施しますので、私は人員をしっかりとケアすることを意識しています。
重要なポイント
一言で、最も重要なことは何かととわれたら ”ゴールから逆引きで考える”と答えます。別の記事でも述べている通り、プロジェクトの目的・目標というのは最も重要です。そこからぶれないため、そこに向かって突き進むために、常にゴールからバックワードでスケジュールを引き、マイルストンをセットすることが重要です。
次に重要なことは、”期待値をコントロールする”です。コントロールするというと難しく感じるかもしれませんが、当該プロジェクトの各ステークホルダーと適切にコミュニケーションをして、目標の認識を常に合わせておくということです。
3つ目に重要な点は、空中戦にならないように文書化するということです。重要なスキルの投稿でも述べましたが、箇条書き、図解化を活用しながら、しっかりと資料化し、各マイルストンをクリアしていく、ステアリングコミッティの承認を取得することが重要です。
この記事で出てきた”ステークホルダー”や”ステアリングコミッティ”については、別の投稿で解説するようにします。
まとめ
結局のところ予定していたスケジュールおよび費用で目標を達成できれば、そのプロジェクトは成功です。
また、難しいプロジェクトになればなるほど、プロジェクトの存続にかかわる大きな壁にぶつかることがよくあります。その時に最も大事なことは何かというと”自分一人になっても目標に向かって突き進むんだ”という強い意志です。
そういった場面になるとこれまで味方だった人や支援してくれていた人たちも距離を置くようになり、孤独を感じることもあるかと思います。ですがそのような場面でも、当初の目的・目標をしっかりと見据えて、その時にやるべきことを淡々とこなしていくことが非常に重要です。挫折するプロジェクトの大半が、このようなプロジェクトリーダーが不在のために、プロジェクトが迷走しはじめ、消滅していきます。
このように、大きな壁にぶつかったことのあるプロジェクトが成功したときほど、より達成感も感じられますし、自分の成長も感じることができます。いわゆる修羅場を多くこなすことで、ちょっとやそっとのことでは動じることのないプロジェクトマネージャーとして育っていけると思っています。
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